宿題がないフィンランドはいいなぁ〜!『マイケル・ムーアの 世界侵略のススメ』高校生視点で語る本音座談会開催

2016/10/20 13:19|映画・TV
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超過激なアポなし突撃取材と歯に衣着せぬ物言いで、社会問題を独自の視点 で描いてきたマイケル・ムーア監督の最新作『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』のブルーレイ&DVD 発売を記念し、高校生の視点でこの映画について語り合う本音座談会が開催された。

マイケル・ムーアの 世界侵略のススメ

宿題がないフィンランドはいいなぁ〜!『マイケル・ムーアの 世界侵略のススメ』高校生視点で語る本音座談会開催

今回行われた座談会では、『MICE』(メンバー全員が高校生で、映画を通して他校の高校生同士をつなげる活動を行っている団体)に所属している13人の高校生が本作を鑑賞し、本作で紹介された日本では意外と知られていない世界各国の優れたアイデアや常識を知って、思ったことや感じたことなどを語った。

またゲストとして、フィンランド大使館広報部プロジェクト・コーディネーターの堀内都喜子さん、北欧5カ国の利点・欠点をユーモラスに綴った書籍「限りなく完璧に近い人々」(マイケル・ブース著) 編集担当の郡司珠子さん、そして司会進行として、“勝手にイタリア親善大使”の佐々木カルパッチョさんもご参加した。

以下、座談会のレポートです。

カルパッチョさんからイタリア語で“乾杯”を意味する「サルーテ!」の掛け声でドリンクの乾杯が行われ、ピザを食べながらの和やかな雰囲気で座談会が始まりました。作品について語る前に、鑑賞後のMIC のメンバーたちに、本作で紹介された各国のジョーシキの数々が書かれたボードを見せ、良いと思ったものに女性はピンク、男性はグリーンのシールを事前に貼ってもらっており、その結果が発表された。本作でマイケル・ムーアが訪れた国のひとつであるイタリアのジョーシキに、ピンクのシールが6枚張られているのを見たカルパッチョさんは「本当にこのキャラでやってきてよかった!」と大喜び!イタリアにシールを貼った高校生からは、「ランチになるとわざわざ家に帰って、しかもランチの時間が2時間もあるのが良いなと思った。短い時間でも家族と過ごしたいという希望を会社も受け入れているのが素晴らしい。」とコメント。さらに別の高校生からは「有給がいっぱい取れるのがいいなと思った。日本だと取りにくいっていうのをよく聞くけど、イタリアは取るのが当たり前になっていて、自分の中で区切りをつけることができて仕事の事も引きずらないでバカンスに入れるのがすごいうらやましい。」という感想も上がりました。カルパッチョさんは「ちょっと補足すると、イタリア人は区切りをつけてバカンスに入るんじゃなくて、バカンスをするために仕事をしてるんですよ。遊びたいがために仕事をする人たちだから、そもそもの考え方が逆なんですよね。」とコメントしました。座談会は終始和やかな雰囲気で進行!

次に、ノルウェーの刑務所制度が描かれていたことについて、男子高校生が「受刑者の人たちの“牢屋は一軒家”、“死刑制度がない”、“最長刑期が21年” という扱いに驚いたんですけど、日本も死刑のある国なのでその扱いの差っていうのはすごく新鮮でした。」と述べました。また、ポルトガルでは麻薬が合法化されていると紹介されており、そのことについても「“ヤバいもの”っていう先入観が日本では強いので、見る尺度や位置を変えたらポルトガルのように犯罪に問われなかったり、そういう見方もできるのかなと思いました。」と高校生目線で答えてくれました。

続いて、フィンランドについてもボードには多くのシールが張られ、さらに絶賛の声が続々とあがりました。なかでも「宿題がないっていうのが、本当にうらやましい」と、このジョーシキにはほとんどの高校生たちが「いいなぁ〜!」という反応。参加した高校生が通うある学校では「必要だから宿題の量が多いというんじゃなくて、休みがあればとりあえず宿題を出したいっていう感じなんです。」という声も。そのほかにも「学校間に格差がないというところが気になりました。公立校だけで私立校がなく、どこの学校に行っても同じレベルの教育が受けられるっていうのが、公立と私立で差がある日本では考えられないです。」と驚きの声もありました。

フィンランド大使館の堀内さんによると、「宿題については、完全にないわけではなく、夏休みなどの長期の休みに入ると、その期間は勉強するためではなく休むためにあるものなので、小学校や中学校も宿題はないんです。」とコメントすると、みんな羨ましそうな顔をしていました。さらに「格差についてですが、フィンランドはエリートを作ることにあまり興味がない国なんです。田舎でも都会でも公立しかないし、大学も格差がない。じゃあ大学を選ぶ基準はというと、例えば心理学を勉強したかったら、心理学を教える大学が3つくらいあ るのでその中から好きなところ、好きな立地で選ぶといった感じです。だからランキングというものもない。」と説明があると、高校生たちは日本とは全く異なるジョーシキの数々に驚きを隠せないといった様子でした。カルパッチョさんも思わず「インクレディービレ(イタリア語で“信じられない”)ですね!」とコメントしました。

その後も、高校生からフィンランドについての質問が続きました。「部活ってあるんですか?」という質問に堀内さんは「学校単位ではありません。そのかわり地域のスポーツクラブのようなものがあるという感じなので、中学生や高校生は学校が終わるとすぐ帰りますね。スポーツや趣味は家に帰ってからやりましょうという感覚です。居残りや塾とかもないので、授業に集中して、決して詰め込み式ではなく自分たちで研究して発表する。日本のように言われたことを頭に入れるだけの授業ではないんです。」と回答。

「受験はどうなっているんですか?」という質問には、「大学受験はもちろんあって、人気の学部になると合格率も数%と低くなります。フィンランドは教師を目指す人が多いですね。教師は夏休みが長いから人気なんです。」と述べると、カルパッチョさんも「やっぱり休みたいんじゃない!みんなイタリアにいらっしゃいよ!」と思わずツッコミ。さらに堀内さんは「日本でいうセンター試験のようなものではなく、高校卒業資格を取るための試験があり、それに受かってなおかつ各志望校の試験があります。例えば教師になりたければ教育学に関する本を読んで口述や記述の試験を受けるという流れです。だから高校で習ったことを聞かれることはなくて、専門分野のことを勉強しないとその大学や学部には入れないんですね。ただ専門大学という日本でいうところの専門学校のような学校もあって、そこはプログラミングや消防士など、なりたい職業に直結したことを学ぶところです。そっちはもうちょっと入りやすいかもしれません。」と答えました。

続けて、「博士課程まで無料で受講できるので、自分で勉強してて「なんか違うな」と思ったらみんなどんどん学部を変えてます。実際のところ18歳、19歳じゃ自分が何をやりたいかわからないじゃないですか。だからとりあえず入ってみてっていう人が多いので、10年ぐらい学生をしている人もいますよ。仕事に就いてから大学に入る人もいますし、“勉強か、仕事か”じゃなくて、もっと自由な考え方を持っている人が多いです。」と、フィンランドの教育事情にMICEの皆さんも興味津々といった様子でした。

そのほかにも「映画の中で、フィンランドの文部大臣が女性の方だったのですごく印象に残っているのですが、フィンランドの 政府の中の女性の割合はどのくらいで、いつごろから女性の進出がはじまったんですか?」という質問には、「国会に関しては44%が女性の国会議員で、映画では初の女性大統領はアイスランドと紹介されていましたが、フィンランドでは2000 年に初めて女性大統領が登場して2期12年務めました。お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜さんが「ハロネン大統領じゃねーよ!」 って数年前に言ってたんですけど、それがフィンランドの女性大統領です。春菜さんは大使館にも来ていただいて、その後、大統領と共演もされたんですよ」と述べました。

カルパッチョさんは「「マイケル・ムーアじゃねーよ!」じゃなくてそっちなんですね。 あいつ〜!僕、吉本で同期だったんですよ!やっぱり“ハリセンボンさん”は違いますね〜!」と、意外な繋がりが発覚!続けて堀内さんは「前回は半々くらいで女性のほうがちょっと多いぐらいだったんですけど、今の内閣は男性が若干多いです。でも 女性の大臣は5〜6人いますね。最近ではあまり男性なのか女性なのかを気にしなくなっていて、能力のある人が大臣になるといった感じですね。フィンランドでは性別を気にする時代は終わった、と言われています。」という名言も出ました。

また郡司さんからも「フィンランドは世界で初めて、女性が参政権を得た国なんですよね。」と述べると、堀内さんも「そうなんです。参政権と立候補する権利両方が与えられた国で、やはり女性議員が増えると子育てや家族のための政策がどんどん増えていくので、 それが今いい結果を残しているということですね。」と、日本との違いを目の当たりにしたMICEのメンバーたちでした。

今まで知ることのなかった世界のジョーシキに触れつつ、参加したMICEのメンバーにとっては自分たちの将来について考える機会にもなった座談会でした。最後はゲストの皆さんと一緒に記念撮影を行い、座談会は終了しました。
マイケル・ムーアの世界侵略のススメ

『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』©2015,NORTHENDPRODUCTIONS

『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』
【商品仕様】
ブルーレイ セル 品番:BAS-80861 価格:4,743 円 (+税)
DVD セル 品番:TADD 80861 価格:3,800 円 (+税)
レンタル 品番:DABR-5051

【ブルーレイ】 ※すべて予定
■オリジナル(英語):DTS- HD Master Audio 5.1ch サラウンド ■字幕:日本語 ■ビスタ(1.78:1) ■カラー ■本編 119 分 ■2 層ディスク ■2015 年アメリカ映画

【DVD】 ※すべて予定
■オリジナル(英語):ドルビーデジタル 5.1ch サラウンド ■字幕:日本語 ■ビスタ(1.78:1) ■カラー ■本編 119 分 ■片面 2 層 ■2015 年アメリカ映画

【STORY】
これまでの侵略戦争の結果、全く良くならない国・アメリカ合衆国。米国防総省の幹部らは悩んだ挙句、ある人物に相談する。それは、政府の天敵である映 画監督のマイケル・ムーアであった。幹部らの切実な話を聞き、ムーアは国防総省に代わって自らが“侵略者”となり、世界各国へ出撃することを提案。ムー アに課されたミッションは、世界各国の様々な『幸せ』の形を根こそぎ略奪し、アメリカに持ち帰ることであった―。

【STAFF】 製作・監督・脚本:マイケル・ムーア(『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』『キャピタリズム~マネーは踊る~』)

©2015,NORTHENDPRODUCTIONS


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