イタリア版アカデミー賞で主要含む全5部門受賞!映画『歓びのトスカーナ』イタリアの名匠がヒントを得た名作とは?

2017/07/03 17:18|映画・TV
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このたびイタリア映画界の名匠パオロ・ヴィルズィ監督が、『人間の値打ち』に続きヴァレリア・ブルーニ・テデスキと再びタッグを組んだ映画『歓びのトスカーナ』が、7月8日(月)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開となる。

歓びのトスカーナ

イタリア版アカデミー賞で主要含む全5部門受賞!映画『歓びのトスカーナ』イタリアの名匠がヒントを得た名作とは? COPYRIGHT © LOTUS 2015

本作は、イタリア・トスカーナ州の陽光降り注ぐ精神診療施設を舞台に、外見も性格も対照的なふたりの女性が織りなす友情ドラマだ。過去やしがらみから解放されようと、自由を追い求めるヒロインたちからあふれでる人生の切なさや愛おしさを生き生きと描き出していく。

本作でも重要なカギとなる“精神病院”を題材にした映画といえば、最近では映画『人生、ここにあり!』(08)が、イタリアで新精神保健法によって精神病院が廃絶された後の1980年代のミラノで精神病患者たちが自立するまでを描いていたことも記憶に新しい。また、名作として名高いジャック・ニコルソン主演の『カッコーの巣の上で』(75)がある。刑務所から逃れるために精神病患者を装って入院した主人公のマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)が人を人として見ない精神病院の実態に反抗し、他の入所者たちにも相互作用を引き起こしていくさまをドキュメンタリータッチで描き上げた作品だ。
歓びのトスカーナ

イタリア版アカデミー賞で主要含む全5部門受賞!映画『歓びのトスカーナ』イタリアの名匠がヒントを得た名作とは? COPYRIGHT © LOTUS 2015

主題の一つである“人間としての尊厳とは何か”という問いかけは、本作『歓びのトスカーナ』にも引き継がれる。舞台はあくまで診療所であることから患者たちの統制にも多少の緩和がみられるが、やはり支配的なソーシャル・ワーカーが存在し患者を区別して扱う。“精神病院”という題材は度々私たちに、人間が同じ人間の尊厳を搾取していることの愚かしさを突き付けてくる。また、両作品が共通して“自我の目覚め”が精神病院・診療所からの“脱出”という行為によって起こるものとして描いている点も興味深い。
歓びのトスカーナ

イタリア版アカデミー賞で主要含む全5部門受賞!映画『歓びのトスカーナ』イタリアの名匠がヒントを得た名作とは? COPYRIGHT © LOTUS 2015

ヴィルズィ監督は、着想を得た作品として『カッコーの巣の上で』のほかに、テネシー・ウィリアムズの戯曲『欲望という名の電車』を挙げ、主人公ブランチとテデスキ演じるベアトリーチェの共通性を認めている。そして自由を追い求める女性の逃避行という点では『テルマ&ルイーズ』(91)を想起させるだろう。

周囲から要注意人物とみなされ、管理上のルールでがんじがらめになっていたふたりが、“ほんの少しの幸せ”を探す冒険に身を投じ、かけがえのない絆を育んでいく姿は、多くの観客の共感を誘うに違いない。

映画『歓びのトスカーナ』は、7月8日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー!


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配給:ミッドシップ
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