「発語内行為」の意味や使い方について、わかりやすくご説明いたします。
言葉には単なる伝達手段だけでなく、その発話自体が特定の行為を含むこともあります。
そこで「発語内行為」という概念が登場します。
この言葉は、言葉の意味や表現だけでなく、その言葉を使うことによって実際に何らかの行為が行われることを指しています。
例えば、約束をするときに「約束します」と言うことで、その場で約束をしているのと同じ効果が生まれます。
このように、言葉自体に行為が内在しているというのが「発語内行為」という考え方です。
では、具体的な発語内行為の例や使い方などを詳しく紹介していきます。
それでは詳しく紹介させて頂きます。
「発語内行為」の意味と使い方
意味
「発語内行為」とは、発話そのものが行為を伴っている言語行為のことを指します。
言葉を使ってコミュニケーションを行う際、相手に対して何らかの意図や目的を持って発話することが発語内行為となります。
使い方
発語内行為は日常的な会話やコミュニケーションの中で広く使われています。
例えば、次のような場合に発語内行為が行われます。
1. 依頼や命令: 「帰ってきたら電話をください。
」と言うことで、相手に電話するように依頼をすることができます。
2. 質問: 「明日の天気はどうですか?」と尋ねることで、相手に明日の天気についての情報を求めることができます。
3. 警告: 「気をつけてください。
」と警告することで、相手に危険が迫っていることを伝えることができます。
4. 告白や表明: 「好きです。
」と告白することで、相手に自分の感情や思いを伝えることができます。
発語内行為は日常生活でよく使用される言語行為の一つです。
相手への意図や目的を明確に伝えるために使われることが多く、適切な言葉の選び方や表現方法が重要となります。
発語内行為の間違った使い方の例文とNG部分の解説
NG例文1
本を読んだことはありません。
NG部分の解説
「本を読んだことはありません」という表現は、過去の経験を否定しているため、正しくは「本を読んだことがありません」となります。
否定の意味を表すためには、「が」を使用する必要があります。
NG例文2
雨が降るから傘を持ってきてください。
NG部分の解説
「雨が降るから傘を持ってきてください」という表現は、原因と結果が逆転しています。
正しくは、「傘を持ってきてください、雨が降るかもしれません」と言うべきです。
原因(雨が降る)に先立つように動作(傘を持ってくる)をするのが自然な表現です。
NG例文3
早く寝たほうがいいよ。
NG部分の解説
「早く寝たほうがいいよ」という表現は、他の人に対して指示を出すような口調です。
もっと丁寧に言うと「早く寝たほうがいいですよ」となります。
相手に対して敬意を持って話すためには丁寧な口調を使うことが重要です。
発語内行為の5つの例文と書き方のポイント解説
例文 1:
先月受けた面接の結果が届いたので、結果を知りたかった友人にメールで報告しました。
ポイント解説:
この例文では、メールを使って結果を知らせる発語内行為が行われています。
報告する相手が友人であることを明示し、先月受けた面接の結果が届いたことを述べています。
例文 2:
昨日、教授に研究の進捗状況を伝えるために、研究室に訪ねました。
ポイント解説:
この例文では、研究の進捗状況を伝えるために研究室へ訪問する発語内行為が行われています。
教授に対して研究の進捗状況を伝える目的で訪ねることを明示しています。
例文 3:
新しいプロジェクトのリーダーに任命されたので、チームメンバーに今後の予定を説明しました。
ポイント解説:
この例文では、チームメンバーに今後の予定を説明するために発言する発語内行為が行われています。
自分がプロジェクトのリーダーに任命されたことを述べ、チームメンバーに今後の予定を説明することを明示しています。
例文 4:
友人に謝罪の電話をかけて、昨日のミスについて詫びました。
ポイント解説:
この例文では、昨日のミスについて友人に謝罪するために電話をかける発語内行為が行われています。
謝罪の理由として昨日のミスを述べ、詫びることを明示しています。
例文 5:
会議での発言内容について、社長から指摘されたので、今後の対策を話し合いました。
ポイント解説:
この例文では、会議での発言内容について社長から指摘を受けて、今後の対策を話し合うために発言する発語内行為が行われています。
社長から指摘を受けたことと、今後の対策を話し合うことを明示しています。
発語内行為の例文について:まとめ
発語内行為とは、言葉を使って行う特定の行為のことを指します。
具体的な例文を挙げると、このようなものがあります。
1. 謝罪の表現:「申し訳ありません」「すみません」「お詫び申し上げます」など、過ちや失礼などを謝罪するためのフレーズがあります。
2. 感謝の表現:「ありがとうございます」「感謝しています」「お世話になっています」など、他人への感謝の気持ちを伝えるための表現があります。
3. 命令の表現:「それをやってください」「お願いします」「行ってください」など、他人に何かをやってもらうよう要求する表現です。
4. 勧誘の表現:「一緒に食事に行きませんか」「この商品を試してみませんか」「参加してください」など、他人に何かを提案する表現があります。
5. 話題の提供:「最近、○○が話題です」「これについてどう思いますか」「あなたも経験ありますか」など、他人との会話における話題を提供する表現です。
以上が発語内行為の一部の例文です。
これらの表現をうまく使うことで、コミュニケーションが円滑になります。
日常生活やビジネスシーンなどさまざまな場面で活用できるので、ぜひ覚えておきましょう。