「循環論法」の意味や使い方について、皆さんは理解しているでしょうか?循環論法は論理の誤謬の一つであり、自己言及的な論理の構造を持つことを指します。
つまり、主張を正当化するためには、既に主張を前提としているということです。
この手法は一見すると説得力があるように思えますが、論理的に妥当ではありません。
循環論法は真実性や正当性の評価が行えないため、意見や主張を支持する際には注意が必要です。
次に、循環論法の具体的な使い方について詳しく紹介いたします。
それでは詳しく紹介させて頂きます。
「循環論法」の意味と使い方
意味
循環論法(じゅんかんろんぽう)とは、論証の一種であり、主張を支持するためにその主張そのものを根拠として用いることを指します。
循環論法は論理的な誤りであり、回りくどい形で言葉を繰り返すことになります。
循環論法は真理や正当性について証明を行う場合に問題が生じることがあります。
この論証方法では、根拠とする主張がすでに結論の一部として含まれているため、本来の論拠や根拠が欠けていると言えます。
循環論法は一見すると説得力があるように見えることもありますが、実際には論理的な正当性を持っていません。
使い方
以下に循環論法の使い方の例を示します。
例1:「私は正しいことを言っているので、私の意見は正しい」と主張する場合、この主張自体が循環論法です。
この場合、主張の根拠として「私の意見は正しい」という主張を用いており、論理的な根拠が欠けています。
例2:「神様の存在を否定することはできない。
なぜなら神様が存在しないということを証明するためには、神様の存在を示す証拠が必要だからだ」と主張する場合、循環論法が使用されています。
この主張では、神様の存在を否定することができないという主張自体が証拠として使われていますが、これでは論理的な正当性が欠けています。
循環論法は論理的な議論や論証において避けるべきです。
正当な主張や論拠が必要な場合には、循環論法に頼るのではなく、独立した根拠や証拠を提供することが重要です。
NG例文1:
彼の意見は正しいのは当然だ。
だって彼はいつも正しいから。
NG部分の解説:
この例文では、「彼はいつも正しいから」という理由だけで彼の意見が正しいと主張しています。
しかし、これは循環論法の一例であり、他の根拠や理由がないため、論理的に妥当な主張ではありません。
NG例文2:
この商品は人気があるから、絶対に良い商品だと言える。
NG部分の解説:
この例文では、「人気があるから」という理由だけで商品の良さを主張しています。
しかし、人気があるからといって必ずしも良い商品であるとは限りません。
実際には個々の人の好みやニーズによって評価が異なるため、循環論法となってしまいます。
NG例文3:
みんながそう思っているから、間違いない。
NG部分の解説:
この例文では、「みんながそう思っているから」という理由だけで事実を主張しています。
しかし、多くの人がそう思っているからといって必ずしもそれが事実であるとは限りません。
人々の意見は個人差があり、また一般意見としての正当性も検証されるべきです。
したがって、この主張は循環論法となります。
循環論法の5つの例文と書き方のポイント解説
例文1:
彼の主張は真実だと思う。
なぜなら彼は信頼できるからだ。
書き方のポイント解説:
この例文では、不正確な推論が行われています。
主張が真実としている理由が、主張自体の結論に依存しています。
信頼性の根拠が示されていないため、この例文は循環論法となっています。
例文2:
私たちは法律を守るべきです。
なぜなら法律に従うことが正しいからです。
書き方のポイント解説:
この例文では、法律を守るべき理由が法律に従うことが正しいという結論に依存しています。
ただし、なぜ法律に従うことが正しいのかが説明されていないため、循環論法となっています。
例文3:
この政策は成功するはずです。
なぜなら政府がその政策を支持しているからです。
書き方のポイント解説:
この例文では、政策の成功を支持している理由が、政府の支持があるという結論に依存しています。
しかし、政府の支持がなぜ政策の成功と結びつくのかが説明されていないため、循環論法となっています。
例文4:
彼女は信頼できる人物です。
なぜなら彼女が常に正直な言動をしているからです。
書き方のポイント解説:
この例文では、彼女の信頼性の根拠として、彼女が常に正直な言動をしているという事実が示されています。
しかし、なぜ正直な言動が信頼性につながるのかが説明されていないため、循環論法となっています。
例文5:
私たちは彼の主張を信じるべきです。
なぜなら彼の主張が真実だからです。
書き方のポイント解説:
この例文では、彼の主張を信じるべき理由が、彼の主張が真実であるという結論に依存しています。
主張が真実である根拠が示されていないため、この例文は循環論法となっています。
循環論法の例文について:まとめ
循環論法は、論理的に妥当な議論を作り上げることができない論理的な誤りです。
この種の論法では、主張を支持するための根拠となる理由が、実際には主張そのものに基づいていることがあります。
循環論法の例文では、主張とその根拠が非常に類似しており、互いに支えあっていることがあります。
例えば、「私は正しいです」という主張に対して、「私の意見は正しいのですから、私は正しい」という根拠を挙げる場合、循環論法が使われています。
この場合、主張と根拠は同じ内容を言い換えたものであり、真の根拠や証拠が提供されていないため、その議論は論理的に妥当ではありません。
循環論法の例文では、複数の命題が互いに依存し合っている場合もあります。
例えば、「AはBであり、BはCであり、CはAである」といった循環的な関係を示す主張がされることがあります。
しかし、このような関係では、いずれかの主張に根拠や証拠がなければ、全体としての妥当性が失われます。
循環論法の例文を理解するうえで注意しなければならないのは、主張と根拠が同じ言葉や概念を使っているだけではなく、意味的に同じである必要があるということです。
例えば、「私の考えは絶対的に正しい」という主張に対して、「絶対的に正しいという思考が私にあるから、私の考えは絶対的に正しい」という根拠は、循環論法ではありません。
なぜなら、思考と考えが同じ意味であるわけではないからです。
循環論法の理解は、正しい論理的思考を養うために重要です。
循環論法の例文を見極めることで、議論の妥当性を客観的に判断する能力が向上します。
有効な論証を行うためには、主張と根拠の関係を明確にし、論理的なつながりがあることが必要です。
循環論法の例文を避け、適切な論証を行うことで、より説得力のある議論を展開することができるでしょう。